旅に出たい気持ちのまま(1)

2016年08月01日 23:50

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満員になった夜行列車では足りなくて、追加の列車が走っていた。
硬いボックスシートに身を捩らせて、眠れたような、目が覚めていたような時間。


2000/8 品川駅 JR東海道本線9375M臨時快速大垣行(167系)


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旅に出たい気持ちのまま(2)

2016年08月01日 23:50

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東海道本線が、湘南色で満たされていた。
急行型の系譜に近郊型、それぞれが遠くまで連れて行ってくれる象徴。


2000/8 品川駅 JR東海道本線9375M臨時快速大垣行(167系)・回送列車(113系)


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旅に出たい気持ちのまま(3)

2016年08月02日 12:30

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西へ、そして南へ。
船で四国へ渡った頃を夢に見ながら、海を渡る列車を見る。


2000/8 岡山駅 JR宇野線快速マリンライナー岡山行終着(213系)


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旅に出たい気持ちのまま(4)

2016年08月02日 16:30

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特急は猛スピードで坂道を駆け抜ける。
路を譲り、のんびりと駿馬の走り去る姿を見送る。


2000/8 JR土讃線261D阿波池田行 車窓(キハ54形)・特急南風岡山行(2000系)


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旅に出たい気持ちのまま(5)

2016年08月02日 19:00

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土讃線は急峻な地形を走る。
スイッチバックの坪尻駅、山から駆け下りて到着するジオラマのような阿波池田駅、そして吉野川の渓谷を望む大歩危・小歩危駅。
列車は、次々と美しい画を映し続ける。


2000/8 大歩危駅 JR土讃線4275D高知行(キハ54形・キハ28形・キハ58形)


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旅に出たい気持ちのまま(6)

2016年08月03日 08:50

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ホームから線路に降りた駅員氏は旗で列車を誘導する。
アナログなその作業の一つ一つに熟練を感じる。


2000/8 窪川駅 JR予土線(土佐くろしお鉄道中村線)4839D宇和島行(キハ32形・キハ54形)


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旅に出たい気持ちのまま(7)

2016年08月03日 10:15

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四万十川水系に寄り添って走る予土線の車窓。
江川崎までは昭和後期に建設された区間で、ワンマン単行の列車は猛スピードで飛ばしてゆく。


2000/8 JR予土線4839D宇和島行 車窓


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旅に出たい気持ちのまま(8)

2016年08月04日 11:00

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土佐大正に着いた。
昨年お世話になった地元の方が、わざわざ駅まで迎えに来てくださった。
1年ぶりにその駅のホームに降り立ち、走り去る列車を見送る。
深呼吸したときの清々しさ。
清流しまんと号、ディーゼルカーが貨車を改造したトロッコを引っ張って、トンネルに挟まれた高いコンクリート橋を通り過ぎていった。


2000/8 土佐大正駅~土佐昭和駅 JR予土線清流しまんと号宇和島行(キハ54形・トラ45000形)


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旅に出たい気持ちのまま(9)

2016年08月04日 13:00

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四万十川に沿って予土線と国道が谷を並行する。
川から見上げる予土線は、コンクリの護岸の上を一直線に走っている。
昭和の高度成長期に多大なエネルギーを注ぎ込まれた人工物の塊。
そして、旧来より開通していた路線との接続駅が、この江川崎。
川に背を向けるように、急カーブで内陸側に方向を変えた先にあるこの駅は、昔ながらの短いホームと小さな木造駅舎、古き良き有人駅。
国鉄時代から変わっていないのであろう、古びた駅名票が列車の到着を待っている。


2000/8 JR予土線 江川崎駅


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旅に出たい気持ちのまま(10)

2016年08月05日 06:13

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早朝の中村駅。
特急列車は既に、エンジン音を響かせて、俊足で土佐路を駆け抜ける準備をしている。


2000/8 中村駅 土佐くろしお鉄道中村線特急南風4号岡山行(2000系)


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旅に出たい気持ちのまま(11)

2016年08月05日 10:00

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土佐入野で、乗客が僕一人になった。
運転士氏も笑いながら、「一人になってしもた」。
若井駅で下車する。
築堤の構築物には、1959・1960の刻印が入っている。
そこを、特急列車が物凄い速さで通過していった。


2000/8 川奥信号場~若井駅 土佐くろしお鉄道中村線特急南風8号岡山行(2000系)


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旅に出たい気持ちのまま(12)

2016年08月06日 11:30

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宇和島に向けて走る列車は、僕の直前の旅を振り返る車窓。
想いを胸に、列車は走ってゆく。


2000/8 JR予土線4839D宇和島行 車窓


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旅に出たい気持ちのまま(13)

2016年08月06日 16:15

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海を望む駅から、列車は旅立ってゆく。
見送るだけ、ただ眺めて。


2000/8 下灘駅 JR予讃線4736D松山行(キハ32形)


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旅に出たい気持ちのまま(14)

2016年08月07日 18:00

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大きな海原に面した、この小さな駅は、静かに。
映画のワンシーンのように、穏やかな風に吹かれている。


2000/8 JR予讃線 下灘駅


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旅に出たい気持ちのまま(15)

2016年08月07日 18:15

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夕日が沈むとき、この駅に誰ともなく集まってきた。
小さな子供が、空と海を喜んで見ている。
母親は、静かに海を眺めている。


2000/8 JR予讃線 下灘駅


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旅に出たい気持ちのまま(16)

2016年08月08日 18:30

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空が茜色に染まる。
やがて来る列車を待つ人は、シルエットになりどこか物憂げ。


2000/8 JR予讃線 下灘駅


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旅に出たい気持ちのまま(17)

2016年08月08日 19:00

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布団で目覚め、心地良さに包まれ、そして路面電車であちこちを散策。
大街道のアーケード街は今日も賑やか、ふと一人旅を自覚する。
夜には、道後へ。


2000/8 道後温泉駅 伊予鉄道城南線5系統松山駅前行(モハ50形)


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旅に出たい気持ちのまま(18)

2016年08月08日 22:30

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ショットバーで。
カウンターで隣になった初老の男性に話し掛けられた。
旅をしていることを話すと、人は温かくしてくれるものだ。
本当に愛しているのだろう。奥さんを亡くしてからクリスチャンになったのだという。
サラリーマンの鉄則は、「上司の悪口を決して口に出さないこと」。
それまでの人生の積み重ねで語る言葉に、無視できない重みを感じた。
つい飲み過ぎて、市内電車の終電を逃し、急ぎタクシーで松山駅へ。
走り込んだホームには、赤の機関車と青の客車が停まっていた。
次の地へ向かう躍動感、期待。
───そう、それは、僕が思うがままに旅していた頃。


2000/8 松山駅 JR予讃線8122快速ムーンライト松山京都行(DE10形)


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不条理な風景(1)

2016年08月09日 14:25

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この風景が心にざらついて、一向に飲み込めない。
一目見たときに、その不条理さだけが記憶に残った。


2013/8 JR総武本線越中島貨物線 新小岩信号場駅~越中島貨物駅 竪川橋梁


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不条理な風景(2)

2016年08月09日 14:26

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見上げれば、真夏の空に全てがシルエットになって、いつ来るとも分からない列車を待つ静かな存在になる。


2013/8 JR総武本線越中島貨物線 新小岩信号場駅~越中島貨物駅 竪川橋梁


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不条理な風景(3)

2016年08月10日 14:33

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ここに、川の流れはない。
この鉄橋に、広がる空はない。


2013/8 JR総武本線越中島貨物線 新小岩信号場駅~越中島貨物駅 竪川橋梁


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不条理な風景(4)

2016年08月10日 14:35

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列車の通る線路を、無骨な鉄橋が支えている。
重たげな鉄橋を、寡黙な煉瓦が支えている。


2013/8 JR総武本線越中島貨物線 新小岩信号場駅~越中島貨物駅 竪川橋梁


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不条理な風景(5)

2016年08月11日 14:40

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鉄骨の真上にレールがあるんじゃないんだ。
空間で、枕木が列車の重みを全て支えるんだ。


2013/8 JR総武本線越中島貨物線 新小岩信号場駅~越中島貨物駅 竪川橋梁


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不条理な風景(6)

2016年08月11日 14:42

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エンジンの低い音が遠くから響いてきた。
列車が来る。
ファインダーを覗いたそのとき、ディーゼル機関車が鉄橋を渡っていった。


2013/8 新小岩信号場駅~越中島貨物駅 JR総武本線越中島貨物線工7283貨物列車(DE10形)


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不条理な風景(7)

2016年08月12日 14:42

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積み荷のない貨車が、ガラガラと音を立てながら走り過ぎてゆく。
この光景に微かに残されたのは、自動車の排気ガスではなく、確かに機関車の匂い。


2013/8 新小岩信号場駅~越中島貨物駅 JR総武本線越中島貨物線工7283貨物列車(DE10形)


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